鈴森日記

どうも、鈴森シラセの日記です。

【日記】そして魔法が尻から出る。

昨日の午後、昼飯を適当に賄うため、家からほど近いところにあるコンビニに行ったんですよ。

あれば必ず買うネギ塩カルビ弁当とおにぎりを買って、とっとと帰ろうと思ったんですが……。

 

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ふと通りすがったカップ麺コーナーに、ヤツはいました。

真っ赤なパッケージに、泣き叫ぶ青い顔の閻魔大王

それまでの獄激辛シリーズの約2倍の辛さを謳う、ペヤング獄激辛やきそば finalです。

 

特に激辛を愛好する人間ではなく、しかしながら過去に「デスソース」を瓶半分、ドバドバとかけたカップ麺を完食したというひそかな武勇を誇る私は、泣き叫ぶ青閻魔様のシュールさと、こともあろうに閻魔大王が無様に泣く情けない姿に興味を惹かれ、コンビニ特有のちぃちゃいかごに放り込みました。

 

正直、あの時は完全にナメていた。

 

家に帰りついた私は、電気ポットで湯を沸かし、哀れな青い閻魔のパッケージをびりびりと引き裂きました。

地獄の大ボスが、たかだか焼きそば相手になんたるザマだ。

激辛、激辛と謳うものが本当に泣くほど辛かった試しなんかないだろう。

驕り高ぶる私は、沸かしたお湯を注ぎながらそんなことを考え、麺がふやけるまでの三分間、大葉味噌のおにぎりをモサモサとかじって待っていました。

 

そして三分。

 

ふやけた麺に、付属の……あの赤黒いソースをドバっと、少しの躊躇も恐れもなくぶっかけました。

毒ガスめいて吹き上がる蒸気から、激辛料理に特有の薬品のようなにおいが立ち上る。

このにおいはおかしい、と直感が警報を鳴らすのも相手にせず、赤く染まった麺を、勢いよくすすり上げてしまったのです。

 

最初の一瞬は、さしたる異変も感じない。

少し辛いかな~、とナメた感想を抱き、次の一口を口に入れ、咀嚼した刹那。

 

口の中を、喉を、鼻の一番奥を灼ける針でドスドスと刺されるが如き痛み。

遅れてやって来る、口の中に広がる灼熱。

 

鼻水が止まらなくなり。

涙があふれだし。

喉からひとりでに、絞り出すような悲鳴が上がる。

 

あまりに絶望的な刺激に混乱し、呻きながら流し場に駆け寄る。

流水で口内に広がった辛味を洗い流そうとすれば、高濃度のカプサイシンが口腔内の比較的ダメージの少なかった箇所にまで流れ着き、すべての神経を刺し貫く。

 

もはや吐き気すら覚えるその辛味。

口の中に異変を検知し、脳が遅すぎるアラートを流す。

脳は『吐け! 全て吐き出せ!!』と、無意味な叫び声を上げ続けるのです。

しかし吐き出せるような固形物は無理やり飲み込んでしまい、口の端から唾液が垂れるのみ。

どんな手段を以てしても、この痛みを取り除くことが出来ない。

 

 

閻魔様が泣いているのをバカにして悪かった。

あの世に行ったら裁きの前に一回ちゃんと謝らせてくれ。

 

そんで、それからどうしたの

一時はマジで目につく全てが憎くなるほどの怒りを覚えながら、私はふたたび地獄の麺類と対峙しました。

一度自分で買ったからには私が食べねばならない。

私にはその責任と、何より意地があったのです。

 

所詮食べ物のクセに生意気にも人間を苦しめるその根性を許しておけない。

こいつだけは必ず完食し、自分の勝利という決着を付けねばという意地。

 

怒りのままに冷蔵庫を開き、中にあったマヨネーズを一気に半分くらいカップに投じる。

赤い麺に薄黄色いマヨネーズが混ざり、橙色くらいのクリーム状のコーティングがなされる。

普通に考えればチューブ半分のマヨなんて多すぎると思われるだろうが、結論から言うと足りなかった。

足りなかったというか、これだけやってもまだ辛味を中和しきることが出来なかったし、たぶん一本丸ごと入れてもそれは変わることが無かった。

 

いかなる手段を以てしても完全に倒しきることが出来ない辛味に懸命に立ち向かいながら、私は『二度と』、ええもう一度言います。

『二度と!』激辛ペヤングを食わず、激辛と名のつく料理や食品に不用意に挑まないと心に誓いました。

 

ということで、以上鈴森シラセが思いつきで激辛ペヤングを食い、敗北したいきさつになります。

この日記を書いている時点で、まだ胃の内側で火が燃えるような感覚が続いています。

 

(編集注:数時間経ったのち、不快な熱さがより下降し、恐らく腸のあたりに到達しました。こんなことで消化吸収を実感したくなかった)

 

恐らく明日の今頃には、尻から魔法が出て泣いていると思います。

 

(編集注:泣きました。夜中に横になるたびに腹痛がするようになり、一睡もできなかった。というかなんだ昨日の私は。呑気か? ぶっ飛ばすぞ。)

 

それではさようなら。

私は二度と激辛ペヤングを食べません。

 

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「もう激辛やきそばなんてこりごりだぁ~」